『その瞳は、何を映し出す…』

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相変わらず車の中は散らかっており、吸い殻入れは溢れんばかりと一杯に詰まっており、コンビニの袋や缶コーヒーの飲み干しのゴミなどが散乱していた。 そして宮川も続いて運転席に座った。 「叔父さん、相変わらずですね」 助手席に座る草薙は車の中を見渡し、目を細めながら宮川を睨んだ。 草薙の飽きれた物言いは、宮川を逆撫でつる。 「おい!人を小馬鹿にしたような目で見るな!!」 「いえ、小馬鹿にはしてません…」 草薙は宮川の言葉を否定して言った後、間を開けて言った。 「…馬鹿にしてるんですよ、分かって下さいよ」 草薙の言葉に、宮川は握りしめた拳が出そうになったが、草薙はそんな事は既にお構い無しといった無表情で、外の風景をただじっと眺めていた。 宮川はそんな草薙の顔を見て、怒りの矛先を見失った。 「…ちっ」 宮川は握りしめた拳をハンドルに手を掛け舌打ちしながら、車のキーを回してエンジンを掛けた。 静寂な夜の駅前には、既に人の往来は無く、駅に隣接している店などは既にシャッターで閉じられていた。時折、通り過ぎる車の走行音以外に軽い茂みに巣くう虫達の囀りだけが木霊し、桂木町駅の駐車場には叔父の車のエンジン音が鳴り響いた。 叔父の車は余り整備されて無く、濁ったエンジン音を吐き出し、そのアイドリング音はゆっくりと音を一定させて走り出した。 「叔父さん、車検切れてますよ」 「ああ…」 「駄目ですよ」 「ああ…」 「駄目ですよ」 「だぁぁぁ、五月蝿いなぁ!!」 怒りのボルテージが達した宮川は遂に大声で叫んだ。 しかし、草薙は両耳を手で塞ぎ、鼻で笑いながら、再び窓を眺めた。
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