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『プロローグ』
人間の限界とは?…限りない可能性を秘めた、地球上最大の種族である人間とは?…進化に進化を重ね、知恵を得て文明を築き、幾多の時を経て現代に至る。
しかし…。
進化の果てに在るのは…如何なる存在も平等に訪れる、絶対の死という結末があると…とある偉人は言った。
通常、人間は脳の容量の約20%しかその容量を使用出来ていないと言われている。
もし、残りの容量を自由に使う事が可能ならば、人はもっと先へと進む事が出来るかもしれない。
しかし、大き過ぎる力が一体何を生むのか?
人は、まだ知らない…。
ドックン…ドックン…。
静寂で光明すら許さない…闇だけが支配する絶対的な暗黒の世界で、自分の心臓の鼓動だけが…静かに鳴り響いて聞こえた。
ドックン…ドックン…。
暗闇の遥か遠くの方から、消防車のサイレン音が微かに聞こえて来る。
サイレン音はゆっくりと、その音を強めながら近づいて来るように聞こえた。
鳴り響くサイレン音は少年を暗い闇の底から呼び覚まし、少年はゆっくりと体を起こしたが、
体が思う様に動かなかった。
「あれっ…なんだっけ?」
自問自答。
ピキッ…キィ-ン。
突如、重たい頭痛と耳鳴りが少年を襲う。
「痛ッ…」
頭痛と耳鳴りは止む事無く少年の思考を鈍らせ、
頭が酷くボンヤリして、上手く体の自由が利かない。
次第に視界は鮮明になって見え始め、少年は辺りを見渡した。
「!!!!」
赤く燃え上がる炎は、家具や電化製品…本棚などを覆い尽くし、その紅蓮の炎でありとあらゆる物を燃やしていた。
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