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「……おや、なんだか眠たそうな顔をしておられますな」
だらりと体を伏した姿勢に力のない瞳。明らかに寝不足のシフォンを見てベルが言った。
「ちょっと緊張して眠れなくてね」
と、自嘲気味に苦笑いをしながら正直に理由を明かすシフォン。
それを聞き、ふぉっふぉっふぉっと、まるでどこかの村の長老のような笑い声をあげるベル。
「今日はギルドでの初勤務ですからな、緊張するのも仕方ないというものでしょう」
うむうむ、となぜか頷きながらいうベルに、シフォンは引き続き苦笑いをしながら、そうだねと答える。
それから幾分かの談笑の後。
「──ところで、お食事のご用意が出来ておりますので、準備が出来ましたら下へお越し下さい」
と、ベルが部屋に来た用件を告げ、シフォンがわかったと返事をすると、来た時と同じように、失礼いたしますと一言述べ、ベルは退室していった。
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