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「まさかギルドのこと忘れてた?」
「うん、完全に忘れてた」
シフォンの問いに何の悪びもなく、あっけらかんと返すフィル。
シフォンは呆れて何もいえなくなり、変わりに小さく肩を落とす。
「もう朝食の準備が出来てるらしいから早く行こう」
「へーい」
そう言って一人と一匹は部屋を出て階下の食堂を目指すのだった。
シフォンの部屋もそうだが、さすがは貴族の家というだけあって廊下や広間の所々に見える装飾品や家具などは並みのものではない。
床には赤い絨毯が敷かれ、壁には美しい風景が描かれた絵画や歴代のオルティウス家当主の肖像画が飾られている。
天井を見上げれば当たり前の様にシャンデリアが掛かり、隈無く手入れがいき届いた高級家具が普通に置かれている。
食堂ももちろん同様に、重厚感のある家具たちがその美しさを遺憾なく発揮されるよう絶妙に配置されていた。
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