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「大丈夫だろ」
そんな不安を打ち消すかのように、下から声が掛かった。
すでにパンを三つほど平らげて四つ目のパンに手を掛けようとしている彼──フィルである。
「というか、あいつが何とか出来ないような事が起きた時、その時はこの国が滅んでるよ」
その言葉を受けて、シフォンの表情が微かに緩む。
確かにその通りだ。
シフォンは父親がこの国でトップクラスの魔導師であると思っているし、またそれは事実であった。
例え彼が何とか出来ないよう事があっても彼以上の適任者はいない。
だったら信じて待つより他にない。
父親へ寄せた信頼を思い出したシフォンは、再び朝食を口に運び始めた。
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