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その者がいる場所は国の中心部。
主に貴族や富豪達の住む高級住宅街の一画に、"彼"の住む家はあった。
──眠れない……。
ベッドの上で仰向けになりながら、今夜すでに十回は呟いたであろう言葉を、再び心の中で呟いた彼の名はシフォン・オルティウスといった。
後に世界の運命すら揺るがす事になるこの少年こそが、正真正銘、この物語の主人公である。
そして、そんな大それた将来を抱えた主人公が、う~んと唸り、何度も寝返りを打ちながら眠れずにいる理由。
それは明日、彼が向かわなければならない場所に大きな原因があった。
その場所とはどこか?
その、問われて当然ともいえる疑問に答えるためにも、物語の冒頭であるここで、これまでのシフォンの半生を少しだけ語らせて頂こう。
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