眠れない夜に

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    シフォンは17年前、トゥールのある高級貴族の家に、第一子として生まれた。   その家は代々魔法を扱う魔導師の家系であったため、シフォンも当然のように幼子の頃から魔法に触れさせられ、学ばされてきた。   元々魔法の才に優れていたシフォンは5才の時にはすでに魔法の基礎を修め、更に10才の時には高位魔法学のおよそ全てを理解していた。   ──天才。   誰よりもその言葉が似合い、また彼自身もそれを自惚れではなく事実として受け入れていた。   そして、シフォンが十二才となった頃。   魔導師を志す者のほとんどがそうであるように、魔法学園へと入園する事になる。  
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