眠れない夜に

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    そこで五年の間、魔法の仕組みや詠唱法といった基礎中の基礎から、詠唱破棄や魔法融合といった真髄の片鱗までもを学ぶのだった。   まあシフォンの場合はほとんど学び終えていたため自習の場となっていたのだが……。   それから五年の月日が流れ、彼は学園を卒業しとある場所に就職する事になる。   その場所こそが、先に触れた"彼が明日向かわなければならない場所"であり、心を思い煩わせている原因であるのだが、果たしてその場所がどこであるかというと……。   学園を卒業したほとんどの魔導師が行き着く場所であると共に、幼き頃からの憧れの地──ギルドである。   ギルドとは各国が管理する裨補統一機関であり、主に国や民間から依頼を受けそれを遂行する仕事をしている。   依頼の種類は様々で、ペットのしつけから魔物の討伐、時には世界地図の作成といったハイレベルなものまで、依頼があれば何でもこなす、民衆からは"何でも屋"として慕われる公共の機関であった。  
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