1話

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「てかこの本、秦から借りたやつだから優菜に渡そうと思って。」 「なんで俺なんだよ!」 「同居してるからに決まってるだろ。」 「納得できるか!!」 「まぁまぁそう言わずに。」 高杉に無理やり本を持たされた。 「てかさ、優菜と秦さんっていつから同居してるんだっけ?」 美波が思いついたかのように聞いてきた。 秦が俺の家に来たのは俺が中学一年の時 3歳の時に両親が他界し、俺はおばあちゃんに育てられた。 元々足腰が悪く、杖をついて歩くのがやっとだったおばあちゃんもいつからか寝たきりになってしまった。 日に日に弱っていくおばあちゃんを見ていつも泣いていた俺を見て、おばあちゃんは不憫に思ったのか、俺が寂しくないようにと知り合いに頼んで養子を俺の家に連れてきてくれた。 それが秦だ。
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