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「ぐぁ!」
一人の陰陽師がエビ反りになって吹き飛ぶ。
「ぎゃぁ!」
「うぁッ!」
二人、三人、
次々と同じように陰陽師が吹き飛んでゆく。
吸血鬼であるバロンの動きを人間の動体視力で捉えることは困難である上に、
どの方向から来るかも判らない相手に、範囲に限りある小結界で迎えうつのは不可能であった。
あくまでこれは、“未熟な陰陽師”に限っての話だが。
バシュッ!
疾走していたバロンに突如 一本の矢が飛んできた。
それを手刀で弾き、ひとつの疑問を抱えて足を止める。
姿を現したバロンに対し、陰陽師たちは素早く構える。
「誰だ。俺にこれを放ったのは。」
と、バロンは矢を拾い上げる。
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