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くるり、一転ターンを決めた彼女の艶のあるロングヘアーがなびいて、闇夜に映える。
街灯に照らされた朝倉は一枚絵のように輝いていた。本当に、あんな事を言い出さなければ時価数千万の絵画のように映えていたと思う。それくらいに残念だった。
「ありゃりゃー良っーく分かったねカケルっち。そうそう、この度うちな、朝倉香織は魔法少女になりました!」
てへっ、と舌を覗かせてはにかむ朝倉は、今までに見たことが無い程可愛らしい笑顔で、見た事も無いくらい本当に嬉しそうな表情で、とても綺麗で、そして少しだけ不気味に思えたのだった。
立ち話もなんだ、と言う訳でとりあえず、俺の部屋に上げる事にした。
「……ってな訳で私、朝倉香織は魔法少女になりました!」
どうやら朝倉は夢を追い掛けたらしい。昔から言ってたもんなー魔法少女になりたいって。いやー、良かった良かった。
「ありゃりゃー、カケルっちうちの話、聞いとる?」
中々反応しない俺に痺を切らしたのか、朝倉から強烈な瓦割りをくらい覚醒する俺。
痛い。頭、痛い。普通、目の前で手のひらを振る、とかだろうに……。
成人して久しぶりにあった幼なじみがある日魔法少女になっていた、なんて聞かされたら誰だって思考がフリーズするだろ? 普通。するよな?
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