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個人で営業している酒屋さんの隣を通り過ぎ新聞屋の前を右に曲がる。
夏といってもすでに辺りは真っ暗。
夜間は人通りの少ないこの道はやっぱりちょっと怖い。
(早く帰ろう……)
意識的に自転車を漕ぐスピードを上げ公園に入る。
ここらでは一番大きな児童公園も、この時間じゃさすがに人一人いない。
設置された街灯がぼんやりと遊具を照らし出す。
砂利が敷き詰められた広場を自転車で抜けていく、その刹那――
「え……?」
生暖かい風が側を通り抜けて行った。
言い知れぬ不快感がまるで虫が背中を這うようにゆっくりと這い上がってくる。
そして―――
「なっ……ちょっ…どうなってんのよっ……」
世界が、反転した。
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