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「客に茶の一つも出せんのか、この家は」
あの永遠にも思える――現実では全く時間が経過していなかった――壮絶な闘いから数十分。
何故か我が家の茶の間にソイツはいた。
「おい小娘」
「小娘小娘うっさい!!私にはちゃんと亜子って名前があんの!!」
「お前なんぞ小娘で十分だ」
くっ……ムカつく!!!
だいたいなんだこの男は!!
いきなりうら若き乙女の家にずかずかと入り込み、あまつさえ茶を要求するなんて……!!
「はい、お茶っ!!」
……それでもお茶を出してしまう私は甘いのだろうか。
「それで、一体うちまで来て何の用?」
「ああ……お前の純潔がほしい」
「――――は?」
「簡単に言うと処女を渡せ、ということだ」
イッタイナニヲホザイテヤガリマスカ、コイツハ。
「安心しろ、できるだけ優し――」
「あほかっ!!」
スパーン!!と、小気味よい音を立ててスリッパがヤツの頭部を捕らえた。
「っ――!?何すんだこの貧乳チビ!!」
「あんたがアホなこと言ってるからでしょーがっ!!だいたい貧乳ゆーなっ!!」
気にしていることをずばずばと……コイツ人の皮被った悪魔だ。
一瞬でもナイト様みたいとか思った私が馬鹿でした。
「小さいのを気にしてるのか……?大丈夫だ、揉めば大き――」
「るっさい!!」
「小娘、お前殺されたいのか?」
二度目の投擲は簡単に受け止められあえなく失敗。
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