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下駄箱の入り口についた途端また足が動かなくなった。ぴたりと突然止まり前のめりに転びそうになってしまった。なんとか体勢を整えようと入り口からのびる手摺りに手をかけ、上体を起こす。
進むことも下がることも出来ずに長い間立ったまま泣いていた。
横を見るといつもあった自販機がない。気付くと先程手をかけた手摺りもいつものものとは違う感触に思える。
「で…どうすんの~?」
聡子だ。いつもの少し面倒臭そうな口調に何故か安心感がある。聡子は今怒っていない。この時間に何を言えば反応してくれるのか考えることにした。
「ユッコ?聞いてる~?」
聡子は面倒臭そうに呼び掛ける。
まだ答えが見付からない…
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