プロローグ

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リリリリリリ…… 鈴虫の歌が聴こえる。 夜の公園はしんと静まり、夏の夜空は無駄に星々が輝いていた。 公園の隅に設置された公共の丸時計が、秒針を焦らずに一定の速さで進める。 「あ~あ……日曜日ももうすぐ終わりか~」 時刻は11時半。 いつもなら家でネトゲをしているか年甲斐もなく延々とドラゴンボールの録画ビデオを見ている時間だ。 VHSはもはや生きる化石w 頭悪い。 彼女いない。 友達は数える程。 雨にも負けるし風にも負ける。 雪にも夏の暑さにも負けるひ弱な 身体のこの俺は、リア充という憧れに見切りを付け、VIPやネトゲに入り浸り立派なネト充へと転生した。 しかし初期ステータスは変わらず、その代わりに多額の通信料が記された明細が毎月送られてくる。 ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ…… うはwww10みゃんえんwww うん なんかいいよね   万 円 っ て 響 き
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