29人が本棚に入れています
本棚に追加
「何故それが俺じゃ駄目なんですか?」
その言葉に皆からざわつきは消え、部屋が静まり返った。
声の主は劇団の副座長である八城凜。
凜兄ちゃんは僕が物心付いた頃から劇団に居て、兄ちゃんの座長襲名と同時に花形から副座長になった。
歳は兄ちゃんより少し上。
兄ちゃんが居なくなっても、凜兄ちゃんだけは慌てた素振りも見せず、淡々と仕事をこなし続けた。
そんな凜兄ちゃんの方が座長に相応しいと、誰だって思うだろう。
最初のコメントを投稿しよう!