第一幕

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「何故それが俺じゃ駄目なんですか?」 その言葉に皆からざわつきは消え、部屋が静まり返った。 声の主は劇団の副座長である八城凜。 凜兄ちゃんは僕が物心付いた頃から劇団に居て、兄ちゃんの座長襲名と同時に花形から副座長になった。 歳は兄ちゃんより少し上。 兄ちゃんが居なくなっても、凜兄ちゃんだけは慌てた素振りも見せず、淡々と仕事をこなし続けた。 そんな凜兄ちゃんの方が座長に相応しいと、誰だって思うだろう。
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