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『…母様、大きな黒龍が襲ってきたよ?』
『大丈夫…姫は何も心配いらないわ』
『…母様…恐いわ…』
『姫、母の言う事を、しっかり聞くのですよ。朝が来るまで個々から一歩も外へは出てはなりません…』
『…どうして…?母様も一緒にいてくださるのでしょ…?』
『母は姫とは一緒にはいられませぬ…国王の加勢に行かねばなりません。ですが姫…必ず迎えに来ますから姫は母との約束を守って待っていなさい』
『…わかりました…姫は待っております』
それが…私と母様の交わした最後の言葉でした。
怒号と爆音が響く中、私は震える小さな身体を必死に支えながら小さな地下部屋に息を潜め朝が来るのを待っていた。
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