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いつの間にか私は深い眠りについていたようで目が覚めた時には静まり返り物音すら聞こえない。
すると…小さな足音が、こちらへ向かって来るのがわかった。
地下部屋の固く頑丈な鉄の扉が、ゆっくりと開き見慣れた顔触れが私の前へと姿を現し、私をみるなりひざまずき頭を下げた。
彼らの姿は酷い有様だった。
あちらこちら傷を負い真っ黒に汚れている。
彼らはの中の年配者の老人が私に手を差し延べると唇を噛み締めながら、こう言った。
「…姫…ご無事で良かった…しかし…個々は去らねばなりません。城が崩れます。民も去り残すは我等、龍騎士団と姫様お一人だけです…」
頭の中に母様の姿が浮かんだ。
「…母…様と父…様は?」
私は飛び出した。
走って、走って息が苦しくなるのも構わず、ひたすら…そして城の中だというのに朝日に照らされ崩れかけた外壁から見えたのは無惨にも炎に包まれた町だった。
緑豊な花の都として栄えていた個々、トリシアは小さな王国ではあったが小さいながらも豊で平和な国だった。
それが一夜にして…こんなにも荒れ果てようとは…。
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