プロローグ

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 廊下を歩く僕の足取りは軽かった。なんでもっと早くあの選択肢に気が付かなかったのだろう!!あの選択用紙には様々な職業が書いてあった、でもあえてその他と言う選択肢を作ったと言うことはあれは進学という意味ではないか!!幸いにも僕は自慢ではないが就職組には珍しく、学力は上の中と言う高位置にいる。今からでも十二分に大学を狙える。「ふっふっふ」と呟き、意地の悪い顔をしながら僕は帰路に着いた。  後で後悔するとは露知れず……。  数日後、僕の顔には漫画で使われる縦線が入っていた。因みに後ろには『どよ~ん』とした効果が入っているに違いない。そんな僕の目の前の廊下の壁には、例の職業体験の結果――つまりは自分が何処の職場に行くか――が貼り出されていた。 ――『3‐8,25 原岡 雄大 何でも屋』  その他って何でも屋かよっ!!と言う僕のツッコミは廊下に響く事なく、心の中で響いた。
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