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「あ~……う……えっと……」 ごめんなさい!等と年甲斐も無く叫び、6人はひとまずその場を後にしたのだが…… 「ねぇねぇ聞いた?やっと生徒会が発足するんだってさ!」 「知ってるー!伊達君達でしょ?濃姫副理事長からスカウトされたんだって!」 「流石筆頭!超クールッス!」 「やっぱ俺等のアニキはスゲーや!」 噂は思うより早く広がり、月曜日には生徒の話題のネタになっていた。しかも噂は同じ敷地内の初等部や中等部までに広がり、元親・元就・政宗の三人は弟や従兄弟の苦情メールの処理に追われた。これは別の話。 そして極め付けは放課後の緊急全校集会 「今年度の生徒会役員を発表します。 会長 1-C 毛利元就君 副会長 1-C 竹中半兵衛君 会計 1-A 伊達政宗君 書記 1-A 長曾我部元親君 議長 1-B 前田慶次君 総務 1-D 真田幸村君          以上です」 ……なんて発表されてはもう逃げ場はない。 体育館を包む歓声と拍手の中、ステージへと上がらされた6人の心は土砂降りの大雨が降っていた。 画して、彼等6人の希望と願いを大きく裏切り、新千石学院生徒会は発足したのであった。
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