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黒い塊に駆け寄ると、それは鴉だった。
目からは赤い血が垂れていた。
「…可哀想に。お前、あの取っ組み合いでやられたのか?」
何故か俺は、この鴉があのグラウンドの中心で乱闘していた奴だって解った。
何故だか解らない。
ただの勘?
けど、絶対にそうだという自信があった。
放っておくのも可哀想だから、俺は目の前にいる怪我をした鴉を動物病院に連れていく事にした。
その瞬間だった。
「…!! なっ…。」
俺の手の中にいる鴉の毛色が、黒から白へと変わっていく。
「え、え? こんなのって…え?」
俺はどうすればいいのか解らなくなり、混乱してしまった。
すると鴉は、閉じていた目を開けた。
開いた目を見て、俺は絶句してしまった。
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