異変

10/20
前へ
/32ページ
次へ
俺はきっと今ニヤニヤしてると思う。 だってこの俺が、白い鴉を観察してくれって獣医さんに頼まれてんだよ? そんなの、願ってもいない! 「獣医さんっ!! ぜひとも俺にやらせて下さいっ!!」 獣医さんは笑った。 「ありがとう。これから頼むよ! それから“獣医さん”じゃなくて田中って呼んでくれ。ちゃんと僕にも名前があるんだ。」 「すいません。じゃあ俺も“君”じゃなくていいです。俺、高橋 秋広っていいます。」 お互いに軽く自己紹介みたいなのをした。 待合室にある時計を見ると、結構遅い時間だった。 母さんに怒られんのも嫌だしな。 俺は獣医さ…じゃなくて、田中さんに挨拶をして帰る事にした。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加