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「なぁなぁ、秋広ォ、亜樹奈ちゃんて可愛くね?」
「…誰?」
俺の目の前にいる親友の拓也がある亜樹奈と呼ばれている女子生徒に指をさしている。
人に指をさしちゃいけんよ。
なんて心の呟きは胸に閉まっておく。
「お前って何!? ホントに高校生活をおくる健全なる男子っ!? お前女子に興味無さすぎっ!!」
そんな拓也の話なんて流す。
女子より外を眺めてた方がいい。
…ん?
俺って、痛い人間?
「別に俺女子に興味ねぇし。」
「お前なぁ、普通転校生には興味あるだろ? 女子でも、男子でも…。」
あぁ、転校生か。
「…俺、彼女いるしよ。」
「えっ!?」
あれ? 俺拓也に言ってなかったっけ。
「お前彼女いたのかよぉ! 俺聞いてない!」
「い、いてぇよ!」
何で彼女いるからって俺殴られなきゃいけないんだよ。
あ。
鴉がいる。
グラウンドの真ん中に。
一匹で…。
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