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カァ、カァ。
鴉が鳴いた。
それと同時に沢山の鴉が集まってきた。
すごいな、一匹の指令でみんな動くんだな。
「あ~き~ひ~ろっ!! この俺を無視するなっ!!」
「あ、あぁ。悪ィ。」
俺、最近拓也の扱い雑だなぁ。
可哀想に、拓也。
「お前、どうした? 元気ないぞ? 恋でもしたか?」
「いや、だから俺彼女いるって。馬鹿だろお前。」
そんなくだらないやり取りを毎日している。
楽しいんだ。
楽しいんだけど。
やっぱり、あの白い鴉の事が気になっちゃって…。
この街のみんなは白い鴉を見慣れちゃって、何にも思わないんだろうな。
俺だって生まれてこのかた、ずっとこの街に住んでる。
普通なら俺も白い鴉なんて気にしないだろう。
けど、俺…。
小さい頃、あいつに助けられた事があるんだ。
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