雨月という名の

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 そこはビルの廃墟だった。建物自体崩れてはいないものの、その中は人が住めるような環境ではない。  しかし人がいた。数軒あるうちの、7階ほどしかない一軒の小さなビルに、1人…2人……12人。   (,,゚Д゚)「………」    青年は、自室として使っている狭い部屋の窓から、灰色の空を見上げていた。  少し日に焼けた肌に、暖かい日は射すことなく雲に閉ざされている。   (,,゚Д゚)「今日…、か」    青年は部屋を出ようとドアを開けた。   ノパ⊿゚)「うわわわっ」    曇り空を照らすような真っ赤な瞳と髪が、青年の目の前にあった。   ノパ⊿゚)「お、おはようございます兄貴ィィイイッ!!!!」   (,,゚Д゚)「よう、今日も快晴か?ヒート=レイミー」   ノパ⊿゚)「微妙ッスね!!雨が降ってませんからッ」   (,,゚Д゚)「…そうだな、昨日はいい雨だった、"雨月"だったんだ」   ノパ⊿゚)「僕も見ましたよ!綺麗でしたねー!!」    そんな会話をしていると、栗色の瞳が睨んでいることに2人は気が付く。   ノパ⊿゚)「ぁ」   ミセ#゚ー゚)リ「"ぁ"じゃないわよヒート!抜け駆けするなんて許さないんだから!!」   ノパ⊿゚)「僕は今日という日、敬愛なる兄貴に一番に挨拶をしにきただけだッ!!君が起きるのが遅いのが悪いんだろう?メグ=ミセリ!」   ミセ#゚ー゚)リ「なによなによ!!アタシはアンタと違って起きてからが一番忙しいのよ!」   ミセ*゚ー゚)リ「それに、ギコ=ウィンターディフェンドはアタシの婿になるんだからね!」   (,;゚Д゚)(…そうだっけ?)   ノハ#゚⊿゚)「なんですとォォォォォオオオオ!?…って、んなわけないだろ!!」   (,;゚Д゚)(…逃げよう)    迷惑なことにドアの前でわんわやんや言っている2人を余所に階段を下りる。        
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