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そして後日、一行は片桐家の車で三翼市のビーチに来ていた。
連日猛暑日が続いたせいか、ビーチには涼を求め、多くの人が遊びに来ていた。
「うぉおおお・・・水着ギャルがいっぱい・・・すげぇ眺めだ・・・感動だ・・・」
「バカ言ってんじゃないわよ。ほら、浮き輪膨らますの手伝ってよ」
透水と彩華のいつものやりとりをながめつつ、ほかの者もそれぞれ海を楽しんでいた。
「やーん、海やー。優くん、泳ごー?」
浜辺へ走り出す咲を、大きな日傘を持った優が追いかける。
「お嬢様、お待ちください。日の下へ出るならせめて日焼け止めを・・・」
そんな優の姿を見て、咲のいたずら心がひらめいた。
「えー、じゃあなに?優くんが塗ってくれるんー?」
そういって咲は長い髪を肩にかけ、背中を見せた。
「えっ、いや。それは・・・」
思わぬ咲の反撃に優は赤面し、たじろいだ。
「ふふ、うっそやーん。優くんのエッチー」
そういって咲はまた駆け出した。
「はっ!お、お嬢様ー」
困ったような声を上げながら優はまた咲を追いかけた。
「はぁー、若いっていいわねー」
そんな二組の様子を見ながら八雲は誰にともなく呟いた。
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