僕の日常

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「実は……」  僕はこう切り出して公園での一件を話した。僕自身が単にロリ──幼女の話をしたかっただけなんだけど。 「お前が変態なのはひとまず置いといてだな、つまりお前も拉致られたのか。実は俺も赤髪に拉致られた……一体何が目的なんだ?」 「誰がイケメンだ!」 「言ってねえよ!? つかかすりもしてねえじゃねえか! そして後半は無視かよ、一番大事そうな話だっただろ!」  男はビシッ、と僕に指をさしながら鋭いツッコミを繰り出した。よくわからないけどうるさい人だな。 「ゴホン、てかさ、お前怖くないわけ? 一応俺たち拉致されたんだぞ? かなり平常心に見えるが」 「どうしよう。やっぱり僕屈強な男どもに穴という穴を塞がれてアッーー! ってなるのかな?」 「ならねえよ! 何嫌な想像させてんだバカかお前は? 初対面でなんだがお前はバカか!」  何て失礼な男なんだろう。この……ツンツン男? 特徴あんまりないな。この人。黒髪ツンツンしか目に入ってこない。ワックスでも使ってないとこうもツンツンしないんじゃないかな。 「僕はバカじゃない! そっちこそバカだ! バカって言ったやつがバカなんだぞ!」 「んじゃお前もバカだな」 「え……違うよ! 僕はイケメンだい!」 「自分で自分をイケメン言うな! ああ、もう疲れる。なんか拉致られたのどうでもよくなってきたぜ」 「僕のおかげだね」 「はいはいそうだなー。……はあ、俺は冬木鏡助。お前は?」  さっきまで床に座っていた男は、段ボールに腰を移しながら自己紹介をし始めた。別に悪そうなやつじゃないし、名前くらいいいかな? 「僕は遠夏孝文、なんか男と名乗り合うのってキモいね鏡助」 「いきなり呼び捨てかよ……まあいいけど。とにかく逃げることを考えようぜ孝文」 「呼び捨てしないでよ、馴れ馴れしい」 「お前がその流れを作ったんだろ!?」  あーあ、もう一度あの公園の天使に会えないかなあ。
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