未来さん

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――話は、数時間前に遡る―― 今日は、文化祭の準備と言う事もあり学生達は、遅くまで校内に残っていた。 問題児だらけの三年四組も 文化祭には、情熱を燃やしていたが、哲史の一言で作業は、中断してしまった。 「未来さんて知ってる?」 教室で文化祭の飾りつけをしていた皆は、哲史の声に注目した。 哲史は、クラスでも目立つ方。不良やヤンキーの類いではなかったが何かと目立っていた。 哲史の言葉に真っ先に反応したのは、学級委員である サカグチ ヤスヒコ 坂口 靖彦だった。 「哲史!下らない事してないでさっさと準備しろよ。」 怒鳴られた哲史は、嫌悪感を顕にした表情で靖彦を睨む。 靖彦は、学級委員であり クラスでも絶大な人気を誇る。普段煙たがっているヤンキーも靖彦の人心掌握術の成果で 学校内では大人しい。 問題児が多い三年四組にいじめが、“全く無い”のは、靖彦のお陰と言えるだろう。 「ケッ。ヤスさんもつまらない男だね~!未来さん知らないの?」 「下らん知識は、脳に蓄積しないタイプの人間なんでな。俺は。」 「チェッつまんね~男だね~ヤスはよぉ~直巳!お前はどうなんだ?」 直巳と呼ばれた少年にその場 全員の視線が向かう。 彼は、ため息をついた後 面倒臭そうな顔をし 白と黒のツートンカラーの髪をぼりぼりとかきむしる。
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