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そう言ったもう一人の俺はとても寂しそうな顔をしていた。
どうしてだろう?と思っていたら不思議な事に相手の気持ちが次々と俺の中に流れ込んできた。
そっか…
「…大丈夫だよ。」
「え?」
君は俺よりも何倍もかっこいいし強いけど…
「きっと、また…」
俺なんかよりも、ずっとずっと寂しがりなんだね。
「また、会えるよ。」
確証は無いけどそんな気がした。
「…ありがとう。」
もう一人の俺がそう呟いた直後、俺ともう一人の俺の唇が重なっていた。
「…ん!?」
唇から相手の温もりが離れたかと思うと一気に俺の視界が掠れた。
(あぁ…もう覚めちゃうんだ)
なぜだか直感でそう思った。
「…る。…ナ。…また…。」
意識が完全に飛ぶ直前にもう一人の俺が呟いた声が聞こえた。
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