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時は昼休み。 場所は理科準備室。 事件は起きた。 「はぁ…」 紫姫は、弥生と卯月の双子から逃げている。 そして、丁度鍵が開いていた部屋が理科準備室である。 「いつまで隠れていよう?」 次は確か…体育。 1、2年合同。 「休んだ方が身のためね」 はぁと溜め息を吐く。 「誰かいるのか?」 「っ!?」 誰もいないと思っていた部屋のどこからか声が聞こえる。 「なんだ…紫姫か」 床に座り込んでいる紫姫を見付ける。 「王燈…」 声の主は王燈だ。 「弥生達から逃げてんのか?」 「うん…まぁ」 二人は苦笑いする。 「王燈はここで何してるの?」 「サボり」 「体育嫌なの?」 「いや…今日は眠くて」 「そう、なの…」 王燈は欠伸をすると、紫姫に歩み寄ると後ろから抱き付く。 「なぁ、イイコトしない?」 「え…?」 シュル ネクタイを外す音が耳元で聞こえる。 「んッ!?」 外されたネクタイは紫姫の唇を塞ぐ。 「紫姫の初めては全部俺が貰うから」 耳元で囁かれ、紫姫は不覚にも、顔を真っ赤にする。 「ファーストキスも俺だしな」 「…!!」 思い出したのか、更に真っ赤に染まっていく。 「また…頂戴?」 唇を塞いでいたネクタイが取られたと同時に、王燈の唇に塞がれる。 「ん…ッ」
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