-序章-

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冷たい風の吹き抜ける広大な平原。 どこまでも続くその平原のど真ん中にドンッと佇む街と、そのど真ん中に位置する巨大な城。 そしてその街の入口の前には真っ黒いコートを纏った男が一人、ぽつんと佇んでいる。 どんな人物なのか顔を見るにしても、その者は深めのフードを被っており、ましてや太陽の光すら射さぬ雲の下、見えるはずもない。 すると男はゆっくりと足を前へ進め始めた。 そしてフードを被ったまま、嫌な色の雲をした空の下、街中をどんどん進んでいく。 本当は巨大な街のため、通常ならば人々で賑わうはずなのだろうが、この日は生憎天気が悪いせいか道にはあまり人はおらず、殆どの店がやっているのかやっていないのかわからない状態だ。 そんな街で、彼はひたすら歩みを進める。 そうして歩き続けること十数分。 ついに男は街のど真ん中に位置する巨大な城の前までやってきていた。
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