線香花火

4/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
「はぁ。」 あの人に背を向けた途端に息がもれた。ため息ではない。 ずっと緊張していた。 待ち合わせ時間きっかりに現れたあの人に 「花火しましょう。」 でっかい花火パック二つ持ち上げて見せると、あの人はにやっと笑って片手を持ち上げた。 その手には、うちのコンビニの袋と一緒にやけに重そうなトートバッグ。 そうだった。計画書に小さく小さくわかんないくらい小さくお弁当。 ヒヤッとした。 まさかあんな小さな字、わかっても無視すると思ってた。 だって、気付かなかったし…。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!