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お前のその趣味、前々から知っていたけどさ。目の前であからさまに「エロゲ大好き」は流石にビビるよ。
あの発言はいつだったかなぁ……。
椿がそういうのにハマってしまったのは、きっと拓真のせいだ。
そう……忘れもしないあの日――入学したての中学1年新入生ピッカピカの春。
色々な理由から死に腐れ腐れ縁の拓真は、入学式翌日の休み時間に話しかけてきた。
「なぁゆーちゃんよう。エロゲって知ってますか?」
「あいどんのー」
すると突然、歩く25禁こと水千拓真が俺に、淡々と淡々とエロゲ等について語りだしたのだ。
「なぁやっぱりエロゲってのはさ、普通のゲームよりキャラが綺麗な気がするんだよね」
「あいどんのー」
「しかも細かいところまで意外に綺麗に描かれててよ、超凄いんだぜい」
「あいどんのー」
「あとだな、えっちシーンのあのボイスとキャラの顔!!見たことあっか?あれたまんねぇよ!?」
「あいどんのー」
「あとさらに!」
「あいどんのー」
「何も言ってねぇええ!」
「あいどんのー」
あの時は眠かった上に興味が無かったため、うとうとしながら適当に相槌を打ちつつ聞き流していた。
そして少し意識が飛び、目を覚ますといつの間にか俺の隣りに椿がいた。
ご丁寧に隣りの席の椅子を借りて座り、拓真とエロゲ話を(多分)楽しそうにしていた椿は面白いくらいに食い付きが良く……今に至る。
何故道を踏み外したんだ椿!
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