プロローグ-夢-

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 平凡な日々に飽きてきたと、誰かが言った。  そんな台詞は、世界で一番最悪な台詞だと思えた。そう思える自分がいた。 「……キミは、知ってるんだね?」  何を? 「『今』がどれだけ、価値あるモノなのかだよ」  『今』か。確かに、俺の『今』は素晴らしいモノなんだろうな。 「この日々から、抜け出したいと思うかい? もっと、刺激のある世界で、刺激のある日々を過ごしてみたくはないかい?」  刺激、か。良いね。 「じゃあ――」  だからって、俺は今の日常を不満に思ってない。 「――そっか。残念だなぁ……」  じゃあ、そーゆーことだ。さようなら。わざわざこんなリアルな夢に出てきてありがとう。 .
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