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俺の少し後ろを走っていた拓真は――
「うぉッゆぅべぁっ!」
優ベアー?
優しい熊さん?
――まぁようするに俺の腕に自分から当たった。
ふふ……計画通りだ!!
衝撃で意識が飛んだのか、崩れるように倒れる可燃物……じゃなくて拓真。本当に意識が飛んだのか、倒れたままピクピクと動くだけのただの屍。
そんな死体が、断末魔の声を溢した。
「お、俺にかまわずさきに……ぐふ……」
あぁじゃあ遠慮無く。
「拓真……お前の事は……忘れない!かっこ棒読みかっことじ!!」
悲しき犠牲を背負い、俺は技術室へ疾走したのだった。後悔なんてないぜ。
技術室を目の前にして鳴り響くチャイム。急いで開けなければ!技術室のドアを!
俺は激突しそうな勢いで、ドアを開けた。
ガチッ!! と激しい音が鳴った。
「……へ?」
というか、何故かドアは開かなかった。
「え……なんで!?」
とりあえず、ガラスごしに中を覗いてみる。明かりもついていない上に、人の気配すらない。
なん……でだ?
……うん……まさか……ねぇ?
「パソコン室かぁああぁ!」
俺は素早く軌道を変え、パソコン室へ全力疾走した。
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