にわか雨

8/12
106人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
「僕は可愛らしい女性を前にすると、見境なくカッコつけるようなところがあるんです。悪い癖だ」  誠司がハンカチで、ぐしゃぐしゃ髪を拭きながら、そんなことを言うと 「まあっ!……うふふふ……あははっ」  誠司の冗談が通じたらしい。彼女は、可笑しさを堪え(こらえ)切れないと言うように声を上げて笑った。 「歩けますか? もし歩けないようなら……」 「えっ?」
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!