5人が本棚に入れています
本棚に追加
運命の歯車
1560年代のイギリス…エリザベス1世の時代…
ヘレンはキチェフ家でメイドをしていた。
このキチェフ家は、女王とのつながりがとても深い。
なぜ、ここまで地位を高くすることが出来たのかは謎だが、
夫人が一番権力を持っていることは明確だった。
キチェフ夫人…この人は、いわば女王のお気に入り…
毎日お城に出かけては新しいドレスを注文してくる。
自由奔放、わがまま放題。
機嫌が悪いとメイド達にあたりちらし、
少しでも気に食わないとすぐにやめさせてしまう。
こんな夫人に仕えるのは、本当に大変。
キチェフ夫人のベルの音…
この音がしたら、何をしていてもすぐに駆けつけないといけない。
チリリリン…またあの音が…
容赦なくなり続けるベルの音に毎日神経を尖らせる。
少しでも遅れるものなら、夫人のお小言地獄がはじまってしまう。
行き場のないヘレンはここにいるより他がなかった。
最初のコメントを投稿しよう!