運命の歯車

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1560年3月 この日は暖かかったため、夫人に指摘される前に ヘレンは薄いドレスを選び運んでいた。 トントン…ドアを叩いた瞬間、中からすごい悲鳴が… バン!!!拳銃の音? あわててドアを開けると、勢いよく風が頬を横切った。 風の入ってきているほうへと引き寄せられながら 寝室へと向かう。 ベッドの脇で夫人は胸から血を流し倒れていた。 あまりに突然の出来事に「キチェフ夫人……」思わず座り込み夫人を抱き上げる。 悲鳴を聞いたメイド達が、どかどかと入ってくる。 「キャー!!!」その光景を見て夫人1番のお気に入りだったメイドが叫ぶ。 せっかく積み上げたものが崩れ去ったのだ。 夫人の嫌がらせにもあれだけ我慢して耐えてきたのに… 全ての怒りはヘレンに向けられた。
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