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「お嬢ちゃん、見る目が違うね。そのブローチは店を始めてからずぅっと売れ残っているんじゃ。」
「えっ……そうなんですか?」
胡桃はブローチを見ていた。
少し濁った緑色が意味深に輝いている。どこか遠ざけるような……でも一度ハマったら逃がさないようなオーラを放っていた。
「おじいさん、これいくらですか?」
「よし、今日は特別じゃ。お嬢ちゃん可愛いから1000円でどうじゃ?」
胡桃はブローチを手に取って握り、老人を見る。
「……買います……。」
それが全ての始まりの合図だった。
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