一年に一度の……

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七月の初め。夏休みが間近に迫った。桜林高校で夏休みが始まるのは中旬からだった。 「頼むからやめてくれ。」 「いいじゃない! 今日という日を大切にしなきゃ!」 「子供じゃねえんだから、祝ってもらわなくて結構。」 「頼人が嫌でも私がやりたいの!」 「お前なあ……。」 教室の窓側で男女が何やら揉めているようだ……。 まあ、日常茶飯事だけに他の生徒は、微笑しながらその姿を見ている人やそうでない人もいた。 胡桃は相変わらず態度を変えない彼に頬を膨らませていた。 菊地頼人(キクチ ライト)。 胡桃とは只今同居中……。
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