家族愛?

2/35
1783人が本棚に入れています
本棚に追加
/421ページ
 運動なんかくそくらえだ。  インドア派の私は意味も無く毒づいた。  とりあえず……喉が渇いたな。  「喉渇いたっす」  ガス男も同じ気持ちだったようだ。  「うちで何か飲む?」  苦しみを共にした事で、ガス男に対して友情めいた感情が芽生えていた私は、抵抗なく誘った。  「ありがたいっす!ごちそうになるっす」  「カルピスでも振るまうよ!」  「水道水じゃなくてミネラルウォーターで薄めてほしいっす」  「贅沢言うな!お前には雨水がお似合いだよ!」  「あはは!お姉ちゃん、むしろ雨水のみでいいんじゃない?」  「あははー!そりゃないっすよー」  何だか愉快な気持ちになったので、私たち3人は肩を組んで、でたらめな歌を歌いながら中村家に入った。
/421ページ

最初のコメントを投稿しよう!