自殺者の森

2/6
前へ
/316ページ
次へ
「私の名前は、ユキ」 「ユキ?」 「聞き返さないで。簡単な名前でしょ!?」 「…ゴメン」 (こいつ、意外とヘタレかもしれない) 自己紹介、と言うには余りにも素っ気ないやり取りだったが、少女――ユキは目の前の巨人――フーギーシードに対して、先に抱いていた警戒心は薄らいでいた。 無論、打ち解けた、という訳ではないが。 しばしの沈黙が訪れた。 (死んだはいいけど、それから後は考えてなかったなあ…) (迎えたはいいけど、気の強そうな娘だな…。なんでか知らないけど、たまに来るんだよなあ…苦手だ)
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

627人が本棚に入れています
本棚に追加