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「私の名前は、ユキ」
「ユキ?」
「聞き返さないで。簡単な名前でしょ!?」
「…ゴメン」
(こいつ、意外とヘタレかもしれない)
自己紹介、と言うには余りにも素っ気ないやり取りだったが、少女――ユキは目の前の巨人――フーギーシードに対して、先に抱いていた警戒心は薄らいでいた。
無論、打ち解けた、という訳ではないが。
しばしの沈黙が訪れた。
(死んだはいいけど、それから後は考えてなかったなあ…)
(迎えたはいいけど、気の強そうな娘だな…。なんでか知らないけど、たまに来るんだよなあ…苦手だ)
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