自殺者の森

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「た、大変だね。若いのに、こんな所に来ちゃって」 耐えきれなくなったのか、フーギーシードがユキに話し掛けた。 ユキは面倒臭そうに顔を向けて、 「それで?」 一言だけ答えた。 「…いや、別に」 所在無げに立ち尽くすフーギーシード。 本人に自覚は無いが不機嫌そのもので押し黙るユキ。 (若いのに、って、何なのよ…!) ユキは、自分が何に対して怒っているのか解っていなかった。 「…不安かい?」 おずおずと、フーギーシードが言った。 「…ユキ?」 ユキは押し黙ったまま、俯いている。
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