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ふと、ユキは顔を上げる。
(不安…? こんなに苛々するのは…そうかも)
実のところ、ユキの胸中は不安で充たされていた。
これからどうなるのか、という不安。
黙ったまま、フーギーシードに頷いて見せた。
それを見たフーギーシードは、どこか憐れむような様子だった。
「そうだよね…でも、君はここで罰を受けなければならない」
「…罰?」
(どんな罰なんだろう)
ユキの不安が膨れる。
「そう、君は罪を犯したからね」
ユキは限界だった。
元々、我慢強い方ではない。
それどころか、ある種の精神的な脆さを持っていた。
(罪、とか、罰、とか…!)
「…はっきり言ってよ! 私はどんな罰を受けるの!?」
息を吸い、
「なんの罪を犯したっていうのよ!!」
叫んだ。
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