美しい地獄

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「自殺って、罪なの?」 「重罪さ。殺人だからね」 殺人、という物騒な単語を事も無げに言ってのけるフーギーシード。 「殺人って…なんで? 自殺でしょう?」 ユキは困惑している。 ピンと来ない様子だ。 「簡単な事さ。被害者は君、加害者も君。ほら、殺人の成立さ」 「……はぁ?」 ユキに、再び火が入りかける。 (馬鹿にしてんのか?) フーギーシードはそれに気付かず、何処か呆れた様で再びユキに説明しようと口を開いた。 「いや、だから…」 ユキ点火。 「だから? だから何よ!? もっと分かりやすく!」 (やってしまった) フーギーシードは静かに頭を振った。
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