美しい地獄

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喚くユキをフーギーシードなんとか宥め、話の再開に至るまでに十数分を要した。 「…で、結局自殺者の森って何なのよ?」 何とか落ち着きを取り戻したユキは、当然の質問をする。 「ああ、えーと」 (上手く言葉選ばなきゃな…説明苦手なのに。しかし、爆弾みたいな娘だな…) 「簡単に言うと………簡単に言うよ? この森はかなり過酷な方の地獄なんだ」 途端にユキの両眦が吊り上がった…様にフーギーシードには見えた。 案の定、ユキはが重々しく口を開く。 「…なにそれ、意味判んない」 フーギーシードは慌てて説明する。 「つまり、地獄は沢山の階層に別れているんだ。そして、生前に犯した罪の種類別に各層に振り分けられる。自殺は下から二番目の層ね。下になればなるほど罪が重い」 ユキは判った様な判らない様な顔で頷いた。
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