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「ここはね」
フーギーシードは一度そこで区切った。
「地獄なんだ。君は地獄に堕ちたんだよ」
少女はきょとん、として。
「地獄? 私、死んだの?」
どこか他人事のような調子で呟いた。
「うん。…あんまりショックじゃなさそうだね?」
「全然」
そう、よかった。と、興味無さげにフーギーシードが言った。
「で、君の名前は?」
続けて言った。
少女は、自分がまだ自己紹介をしていない事を思い出す。
同時に、混乱していた頭が、すっと冷えて行くのを感じた。
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