それぞれ

6/7
前へ
/316ページ
次へ
「俺ってさ、つまらないのが駄目なんだよね。なんか楽しい事してなきゃ無理、やだ。刑務所なんて絶対無理だね無理無理」 ミコトの返答を待たずにまくし立てる。 「話変わるけどさあ、さっきミコト、皆と居るときに携帯がどうこう言ってたじゃん」 「……?」 「あの時あれっ、て思ったんだ。なんで携帯なんか持ってんのかなーって」 「……」 「すぐに気付いたよ、もしかしたら死んだ時に身に付けてた物はそのままなのかなって」 ヨシミツが上着の内ポケットに手を入れ、何かを取り出した。 「やっぱりあった」 おもちゃを手にした子供の様にはしゃぐヨシミツ。 その右手には、一丁の小ぶりな拳銃が握られていた。 ――――――――――――――
/316ページ

最初のコメントを投稿しよう!

627人が本棚に入れています
本棚に追加