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シホとヨコダはゆっくりと立ち上がる。その顔に驚愕と苦痛を浮かべて。
まるで身体の中に、巨大な"芯"を通された様な、長風船に空気を吹き入れた様な立ち上がり方。
何事かと二人を見るカトウには、何も変化は無いようだった。
「お、おい! どうした!?」
上擦ったカトウの呼び掛けに、二人は応えない。ただその眼球だけが激しく動いている。
完全に立ち上がったシホとヨコダは、四肢を突っ張り、天を仰ぐ。
フーギーシードはシホと眼があった。
どうして? シホは、そう眼で訴えていた。
フーギーシードは何も応えない。
そして、始まった。
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