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佐渡から新潟へ住居を移したがる
賢哉に押された真由美は
渋々愛を連れて新潟へと行く事に成った
カーフェリーに揺られ二時間と20分
漸く新潟へと着いた。
船の中で愛は
死んだかの様に寝ていたと言う
初めて踏んだ新潟の地面
佐渡の青緑の海とはちがい
新潟の海は茶色で汚かった
『ねぇ、お父さん、此処が新潟?』
『そうだぞ。俺が生まれた所だ』
雪駄を履いた賢也の肩に乗って
外を眺めながら訪ねた愛の台詞に
楽しそうに答える。
『ままは?』
『ままも一応成れてる土地だよ。
佐渡より沢山のお店あるよ』
賢也同様真由美も優しく答える。
『ふーん。愛はいっぱい
お友達出来るかなぁ………?』
『愛なら出来るよ。
只、人様には迷惑かけない様にな』
『うんッ!!!』
愛は満面な笑みで答えた。
その時まだ気付かなかった
背後から忍び寄る影に
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